「銘木」と「名木」
通常「名木」と呼ばれているものは、神社や名刹などでよく直径何mもあるな
どと表現される樹齢を経た大木や、歴史的に云われのある特別な木が今に伝わ
っているもの、又、地方地方での生活や風習、信仰などの中で人々と密接な関係を持って親しまれてきた木などを指します
これに対して「銘木」は、「名木」と呼ばれていた木や、山中の樹齢の経た古い木などが自然倒木したものから、良い材としての素地があれば、手をかけて建築用材料として再び蘇らせたものをいいます。つまり「名木」と「銘木」の違いは、土に根をはっているか、死んだはずの木に人が新しい生命を 吹き込んだものかの違いといえます。永い樹齢を経た木は倒木後も素晴らしい生命を保っています。
例えば、ヒマラヤ山中には樹齢2000年といった檜があり、それが倒木してなお150年も経たものを建築材料として使用する場合があります。 檜の香りが消えるどころか、ヒノキチオールなどの分泌物の作用が働き続け、殺菌力まであるのです。白檀、沈香などで知られる”香木”が放つ香りは粉末になってもその香りを失わない素晴らしい生命力を持っています。 |